東アジア文化交流の紐帯、「仏教」を再考する。 考古學(xué)?文獻(xiàn)史學(xué)?仏教史?金工史?美術(shù)史など諸學(xué)の視點(diǎn)から、舎利信仰と王権の関わりや造寺、造仏の技術(shù)?文化伝習(xí)など、東アジア世界において仏教の果たした文化的?政治的重大性を明らかにする。 日本史において六世紀(jì)中葉の百済からの仏教公伝以後、史書に僧や造寺?造仏の工人の渡來が記され、寺院の造営が語られるものの、これまでそれを具體的にイメージさせる歴史素材がなかった。百済王興寺跡と舎利容器などの出土遺物はそれを飛鳥寺と結(jié)び付けてみる時(shí)、多様な解釈を可能にする格好の資料となり、やがて具體的な歴史像を浮かび上がらせてくるのである。王興寺跡の発掘成果は、陵山里寺、さらに武寧王陵などとの関連を喚び起こしたばかりでなく、その源流を中國はもとより、西域、インドにまで辿りうるユーラシア規(guī)模の時(shí)間、空間の広がりをもった史実として指し示すものとなったのである。 (「あとがき」より)
目錄: Ⅰ ―王興寺と飛鳥寺 王興寺から飛鳥寺へ―飛鳥文化の形成―/鈴木靖民 古代朝鮮半島の舎利と舎利銘文―飛鳥寺再考の準(zhǔn)備として―/新川登亀男 王興寺の建立と百済仏教―高句麗?新羅仏教との関係を中心に―/李 成市 百済泗?時(shí)代の政治と仏教―陵山里寺(陵寺)から王興寺をみる―/李 鎔賢 、 ―王興寺の舎利容器?舎利荘厳具?伽藍(lán)配置と倭國 王興寺跡と舎利容器?荘厳具の発掘調(diào)査成果/金 容民 金工史からみた百済王興寺の舎利荘厳具/李 漢祥 百済古墳の副葬品と王興寺舎利荘厳具/山本孝文 王興寺と飛鳥寺の伽藍(lán)配置?木塔心礎(chǔ)設(shè)置?舎利奉安形式の系譜/佐川正敏 日本古代における仏舎利の奉安―舎利容器と舎利荘厳具―/岡本敏行 日本古代の舎利容器と鎮(zhèn)壇具/原田一敏 Ⅲ ―中國南北朝期の舎利信仰と寺院?遺物 國王の真身舎利供養(yǎng)とその政治的含意/周 美 南北朝時(shí)期の國際関係と仏教/窪添慶文 南北朝寺院遺跡と出土遺物/朱 巖石 、 ―飛鳥寺建立の意義 古代文化史のなかの飛鳥寺/大橋一章 飛鳥寺建立と渡來工人?僧侶たち―倭國における技能伝習(xí)の新局面―/田中史生 飛鳥寺の塔とその思想/松木裕美 用明?崇峻期の政変と蘇我氏―飛鳥寺建立前夜の倭王権―/佐藤長門
|