1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を攜えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災(zāi)のずっと前から、ぼくたちは內(nèi)なる廃墟を抱えていた―。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
しんと靜まりかえった心の中のいちばん深い場所で、たしかに、それは起こった-。小さな焚き火の炎のように、深い闇の中に光を放つ!盒鲁薄贿B載「地震のあとで」に書下ろし一篇を加えた初の連作小説。